港まち手芸部 

Minato Knitting ’n Stitching Group

2017-on going Aichi, Japan

2017年から名古屋市港区西築地学区にある、港まちづくり協議会の提案公募型事業として採択され、港まちに住む人々と手芸を学びあう場として宮田明日鹿が企画運営をし「家の中のことを外に出してみる」実践として継続している活動です。
週に1回、午前中の2時間、地域の方を中心に手芸が好きな方、はじめての方、いろんな地域からの参加者も集まって手を動かしています。作るものは決まってません。道具と材料は寄付で集まったものを参加する方と共有しながらそれぞれ、制作しています。
1年に1回展示を開催しています。
日々の活動記録はインスタグラムにて更新中。 @minato_shugei
港まち手芸部をきっかけに、出張手芸部を豊田市美術館、岡崎市美術博物館、アッセンブリッジ・ナゴヤのブロックパーティーなどで開催し、2021年より金石手芸、2022年より有松手芸部を立上げ、現在は地域の方が運営を継続しています。

2020年、港まち手芸部テーマソングのメイキング映像を公開しました。
こんにちは!港まち手芸部です。Vol.4 にて展示した映像です。リンクはこちら ↓ 

名古屋市港区で、港まち手芸部を立ち上げて7年目が経ち、そこからみえてくること、考えることについて。
手芸や習い事はいろんな世代を繋いでくれます。私の運営する活動は、先生がいなくて、何をつくっても自由で肩の力を抜いた場所を目指しています。
場をひらくと、集まる人々と学び合える時間になります。手仕事を通して技術、暮らし、日々のことをおしゃべりし、手を動かしながら伝え合うことは、家の中のことを外に出してみる試みになっています。
手芸という言葉を歴史的背景を通して紐解いていくと、手芸はかつて内職、お針子仕事、女工仕事、養蚕、和裁、洋裁など女性がする仕事を指していました。戦後は家父長制の男女の役割として女性が学ぶものとされて教育はじめ教室文化を形成し、家のなかを飾るための趣味的な編み物、かぎ針、棒針、カゴ細工、刺繍、レース、パッチワーク、造花、ちりめん細工、紙工作など多岐に渡る技法を総称して日本独自の言葉として変化してきました。また、ファッションとも近しい位置にありながら手芸は、無償労働、もしくは安価な内職として今でも手仕事として営まれています。学校教育については1985年に日本が女性差別撤廃条約に批准し、家庭科教育が男女必修となったのは、中学校は1993年の全学年から、高校は1994年入学の1年生からです。(女性差別撤廃条約は国連で1979年に制定され日本は遅れること6年後の1985年に批准した。その後1999年に選択議定書ができたが、まだ日本は批准していない。詳しくはこちらへOP CEDW ACTION
手芸部の活動を通して技術をもつ方に出会い、技術をもつ人々の作ったものを個展形式で展示し、家の中から外に出す行為として、撮影しアーカイブをしています。同時にインタビューを収録。つくる行為について、手芸についての定義をとらえなおす調査、記録、実践をしています。

アーカイブ本について
『Knitting’ n Stitching Archives』2017 年より名古屋市港区で港まち手芸部をスタートし、現在も継続している活動のアーカイブブック。活動で出会った5人の方が作ってきたものを写真に収めました。テキスト、展示風景、作者のポートレイト、作品が収録されています。
サイズ 厚み4cm よこ14.9xたて10.4cm 284ページ50部発行 
「Knitting’ n Stitching」(ニッティングアンドスティッチング)とは、「Stitch`n Bitch」を引用して作ったタイトルです。
※「Stitch`n Bitch」という名前は第二次世界大戦以来、世界中の場所で毎週または毎月集まる編み物、刺繍、パッチワークなど、時には政治的、社会的、技術的変化に対する抵抗を表現する人々の集まりに使われている。

※港まちづくり協議会 
名古屋市港区にある、商店街の旧文具店のビルを再生した拠点スペース、ポットラックビルは、まちづくりやアート情報が閲覧できるラウンジや、イベントや展示が可能な展示室を持つ。現代美術のプログラム、展示、ワークショップ、スタジオ、様々な活動が交差し、港まちエリアでコミュニティ活動などのまちづくりを行う団体。同拠点で開催される現代美術のプログラムには、Minatomachi Art Table, Nagoya(MAT, Nagoya)アッセンブリッジ・ナゴヤがある。

Photo | Tomoya Miura Photo Courtesy | Joint Committee of Port Town
Photo | Noritaka Emoto, Noriko Yamada, Aiko Okamatsu